病院めぐり。

帰国して丁度2ヶ月が過ぎました。「もう2ヶ月」でもあり、「まだ2ヶ月」でもあります。ここのところ、やっと日々のペースがつかめてきて、ホッとできる時間を見つけることもできるようになりました(娘の昼寝中)。


帰国してから追われたのは病院通い。アメリカ生まれの娘は、日本だと6ヶ月までに接種するBCGを逃していたので(最近は事前にツベルクリン反応を受けないのが普通だそうですね)、まずは行きつけの小児科を決めて、BCGを含めた今後の予防接種の相談をしようと思っていました。同時に、4月半ばには私たち夫婦の人間ドックが控えており、4月初旬に事前の問診票などをチェックしていました。その時、目にとまったのが乳がんの自己診断マニュアル。あ、随分としていなかったと思い、家族が寝静まった夜中に鏡の前に立って胸をチェックしてみると、右手を上げた時、右胸の外側部分に縦のひきつれを発見してしまいました。しこり・ひきつれは、乳がんの症状の一つ。まさか。。。サーッと血の気が引くというのはこのこと。足の力が抜け、頭は真っ白。日本に帰ってきて、浮かれていたところへのカウンターパンチ。「好事魔多し」なのか。普段から乳がんのことは気にしているつもりだったのに、現実としてそのような事実が降りかかってくると、まったく動転してしまって、一瞬にして悲観的なことばかりが頭に浮かび、その余裕のなさと自己中心的な発想は、今考えても恥ずかしく思います。


居ても立ってもいられなくなったので、近所の産婦人科で乳腺外科の先生が来院する曜日を夫が調べ、翌々日の朝一でその病院に駆け込みました。ちなみに、乳がんは婦人科ではなく、外科、できれば乳腺外科でないと診断できません。(こういった事前知識はあったのです)行ってみると、乳腺外科を受診するためには事前に検査をし、予約が必要とのことでした。触診してくださった産婦人科の先生は「何ともないとは思うけれど、マンモグラフィーをとったら」とおっしゃったので、即決で初マンモを受けました。その間、一緒に連れて行った娘が泣き叫び、放射線科の男性の先生が抱っこして下さいました。それでも泣き止まず、フロアが大騒ぎになってしまいました。申し訳ありません!マンモは、微量ですが放射線を浴びるので、2週間後に控えた人間ドックでのマンモはキャンセルすることにしました。


上記産婦人科に行ったあと、時間が空いたので、友人から教えてもらった小児科に娘を連れて行きました。BCGは区の所定病院に行って有料で受けるように言われました。ほかの予防接種については、「わー、こんなに接種していてラッキーですね。アメリカは進んでいますから」とのこと。気候風土も、赤ん坊は大人より順応が早いから問題ないでしょうとのことでした。ここはひとまず安心。


マンモの結果が出たのは10日後。「良性か悪性か判断つかないが組織の乱れがある」との所見が出ました。この日の産婦人科の先生から「所見が出たから保険はきくので、エコーも受けておきなさい」とすすめられ、すぐにエコーを受けました。病院のエコーの結果がでないまま、2日後には人間ドックへ。マンモはスキップし、何度やっても問題ないエコーは予定通り受診しました。エコーの技師さんはその場で診断をする権利がないので、結果は持ち越しとなりました。


その週末、先週会った友人から夜分に電話がありました。友人の息子さんが水疱瘡を発症したそうで、先週一緒に遊んだ私の娘にも感染している可能性が高いとのこと。予防接種は1歳以後なので、当然娘は受けていません。発症を防ぐにはどうすればいいのだろう。ということで、翌日、早速小児科に行ってみました。すると、看護師さんから、まだ発症していないならどうしようもないし、そもそも怖い病気ではなく昔は患者の肌にわざとさわって感染させ免疫をつけたような病気だから心配無用、なったらいらっしゃいと言われました。感染してから処方する抗ウィルス剤は、1歳未満でも服用できるそうですね。本件は、経過観察となりました。


さらにその翌週、地元の産婦人科の乳腺外科を受診。マンモ・エコーの結果を見た女医さんは、赤ん坊連れでオタオタしている私を席に座らせることなく、「大丈夫、大丈夫。何にも問題なしだから。帰っていいわよ」と笑顔でおっしゃいました。同席した母も「あーっ」と声を出して、よかったよかったと、ホッとしたのでした。この時点で、乳がんの可能性はゼロと思いましたが、念のためセカンドオピニオンを受けることにしました。丁度この時、夫がヒューストンへ出張に行っていたので、娘と私は実家に泊まり、その間、かつて私の盲腸も切って下さったかつての主治医の先生の元に伺いました。触診で「何もない」とおっしゃった後、その場でエコーもかけて、その言葉を裏付けてくださいました。はーーー。2週間で3回のエコー。これで一段落しました。なお、後日送られてきた人間ドックのエコー結果は「要治療の乳腺症」でした。


そして5月。GW中に船便が段ボールにして100箱以上届いたのですが、まさにその引っ越し日、朝から娘のおなかに赤いポツポツが!ひやぁ〜よりによって、今日水疱瘡発症か!?潜伏期間を考えると、ギリギリ可能性あり。その日、家の中は、誇張でなく足の踏み場もない状態に陥っており、寝室で義母が娘の面倒をみていましたが、その暴れぶりから「まだ大丈夫」と判断し、連休が明けてから再び小児科の門を叩きました。感染症を発症した疑いのある患者は別の入口から入るように指示され、なにやら隔離されたような待合スペースで順番を待ちました。そして診断は「シロ」。水疱瘡特有の水泡が見られないし、発疹はもっと大きいはず、なんだそうです。帰りは通常の玄関から帰りました。結局、娘が水疱瘡を発症することはありませんでした。


先週は、BCGのために三軒茶屋のクリニックにまで足を伸ばしました。久しぶりの世田谷線路面電車のような昼下がりのノンビリなムードが懐かしいです。娘は、聴診器で大泣きを開始し、その後あっという間に左上腕部にスタンプを2つ押されて、BCGを完了しました。


長くなりましたが、以上がここ2ヶ月の私、及び娘の通院履歴です。人間ドックも合わせると、5つの病院に合計9回通院しました。小心者で、何かあるとすぐに病院に駆け込んでしまう私の気質がよく現れた数字です。どの病院でも日本語が通じて本当にありがたかったです(あたりまえ)。乳がんについて言えば、今回はたまたま見つからなかったですが、将来への保証はありません。年一回の定期健診は必ず受けていきたいと思いました。たしかアメリカでは、40代以上の乳がん検診は半年に一度と聞いた記憶があります。日本はまだまだ検診率が低いようですね。それにしても、この2ヶ月、自分・家族の健康についてよく考えました。日本での生活リスタートなので、今回の経験を忘れずに気を引き締めていきたいと思います。