再び、ディスポーザーの乱。

夫の出張中、人間は無事に過ごしたのですが、機嫌の悪くなるマシンはありました。キッチン・シンクのディスポーザーです。ディスポーザーは渡米当初(参照:2007/4/19 逆流!)に散々な目に会ってから、極力負担を減らすように努力してきました。生ごみは日本から持ってきた「三角コーナーいらず」に捨てる、基本的に「物を砕く」ことに頼らない、ゴミが流れてしまったら溜めずにその都度ディスポーザーを回す、など。2年半以上、この調子で問題は起きなかったのに、わざわざ夫がいない時に限って、問題発生。本当のところ、9割かた私に原因があるんですが。


この秋冬シーズンは、スーパーに山のように売られているリンゴに惹かれ、頻繁にアップルパイを焼いていました。(パイ生地は冷凍モノを使用) どうも市販のアップルパイは甘すぎて、ならば家で作ろうという気になってから、暇があるとリンゴを煮ている日が続きました。先週もキッチンに残っているリンゴが目に入ったので、カラメルソースでリンゴを煮ようと思ったわけですが、なぜか今回に限ってカラメルを失敗してしまいました。これも「いつか来た道」(参照:2008/2/24 プリンを作る。)なんですけれど(苦笑)。砂糖がカラメルにならず白い結晶に固まっていくのを見て、熱湯を注ぎながら復活に励むも、ザラザラするばかりでドツボにはまりました。そして、キーッ!と頭に血が上ったまま「やり直し、やり直し!」と、鍋のそのドロドロ熱い砂糖液をガバッとシンクに流してしまったのです!「あ、マズイ」と我に返ったのは、鍋が空になった時。ディスポーザーがカラメルで固まっちゃうかも(汗)。大量のお湯を流しながら慌ててディスポーザーを回しましたが、案の定、すぐに動かなくなりました。やってしまった。。。


その後、沸騰したお湯を流してみましたが、ディスポーザーはうんともすんとも言いません。とりあえず、ディスポーザー内に手を突っ込んで(これが危険な行為というのは分かっていましたが)出来損ないの固まったカラメルをかき集め、もう回転に障害となる塊は取り除いたはずなのに、相変わらず動かないディスポーザー。ネットで調べてみると、木のほうきの柄でディスポーザー内をかき回して詰まりを取り除くという方法が載ってましたが、そのプリミティブな対処方法に感動するも、ウィーンという音がする場合に限るようで、つまり明らかに詰まっている状態だけに有効な解決案らしく、うちの場合は当てはまらず。もう詰まり物はないはずで、機械そのものがイッチャッテイルみたいでしたから。なんで、こんなにヤワなの!だから電気で動く機械は嫌だ!もっと精巧に作ってよ!と、自分の所業はさて置き、見えない敵に逆切れ状態。


個人ではどうしようもないところまできたので、アパートの管理棟に電話してメインテナンスの人に頼むことにしました。こういった時、集合住宅は助かります。しどろもどろで説明をすると、「何時か分からないけれど今日中に仕向けます」という回答。ここはアメリカ、いったい何時やってきてくれるだろうと落ち着かないまま、昼寝中の娘が起きない間に、散らかしっぱなしの工程途中だったアップルパイを仕上げてオーブンに投入しました。2回目のカラメルソースはまあ何とかいきました。


メインテナンスの、いつもニコニコ笑顔を絶やさないおじさんが来てくれたのは、事件発生からおよそ3時間後の午後3時。思ったより早かったです。彼は勝手知ったるキッチンに入っていき、シンク下を覗き込んでディスポーザ底に右手をあてるような仕草をし、立ち上がってスイッチを押すと、なんとディスポーザ復活!それもウィーンというすこぶる快調な音で。修理所要時間、およそ5秒。な、何が起こったのか!?!マジック???聞いてみると、ディスポーザー底に赤いボタンがあって、機械が完全に止まってしまったらこのリセットボタンを押すと直るという説明。え、え〜〜〜!?知らない、そんなこと。彼は「よくあること」みたいな身振りで、やって来た時と同じ笑顔のまま去っていきました。背中が神々しかったです。


冷静になってみれば、ディスポーザーが壊れたところで、隣のシンクを使うようにすればいいだけで、そう目くじらを立てて怒る必要もなかったのですが、些細なことでも思った通りに進まないとイライラしてしまうこの性格はいけないですね。反省。ディスポーザーは、極度に負荷がかかった場合、自ら止まってしまう構造なんでしょうか。「うんともすんとも言わない」状態は吉兆だったのかも。詰まっている方がよっぽど厄介ですから。何だか狐につままれたような気分になりましたが、環境が元通りになり、あー普通がありがたいと思いながら、娘と散歩に出かけたのでした。