歌の力。

妊娠中に友人から教えられ、昨年末にAmazon.jpで購入した、俵万智氏の歌集「プーさんの鼻」。三十一文字に思いを凝縮させる歌人ってスゴイと、改めて唸りました。日常生活における個人的な歌ばかりなのに、多くの人々の気持ちを代弁し、広く世を納得させてしまうその歌力に脱帽です。この歌集は、俵氏の子どもとの蜜月だけを歌っているわけではなく、家族や恋人への思いもあって、バランスがいいですね。「鍋」と「恋人」を掛け合わせている章など、短編映画のようです。


友人から教えてもらった歌は以下の2首。

2キロ入りのあきたこまちをカゴに入れこれがおまえの重さかと思う
読みやすく覚えやすくて感じよく平凡すぎず非凡すぎぬ名


文春文庫「プーさんの鼻」 P.11,12より


今の娘と私の成長度合いは、こんな感じ。

子を真似て私も本を噛んでみる確かに本の味がするなり
タグが好きシャツもタオルも人形もとりあえずタグいつまでもタグ
自分の時間ほしくないかと問われれば自分の時間をこの子と過ごす


同上 P.41,97,112より

プーさんの鼻 (文春文庫)

プーさんの鼻 (文春文庫)