初心。

7ヵ月半になる娘が、自力で前に進みました。「ハイハイ」や「腹ばい」といった名づけられるような代物ではなく、一番近いのは「陸上犬掻き」のような何とも形容のし難い不恰好で、最後はオモチャを持つ私めがけて飛び込んできました。オモチャを手に入れ「ミッション・コンプリート」したあとの、満面の笑みが忘れられません。


そんな娘の姿を見て、そうだよな〜、最初は何でも格好悪いんだよな〜、などと我が身を振り返ってしまいました。何事においても数をこなすうちにだんだんと形はついてきて、目的のために無駄な部分がそぎ落とされ、その分率なくなり、いつの頃から「見てくれ」ばかりを気にし始めたり、中身が伴っていなかったり、無心さとか純粋さとかが失われてしまうといったことも多発して、うまく経験を重ねるということはなかなか難しいものですね。


「初心忘るべからず」という、学び始めた頃の芸の拙さ・未熟さを忘れるなという世阿弥の戒めを、思い起こした七草でした。(お粥は食べませんでしたけど)