【ヒューストン・バレエ】”くるみ割り人形”。

くるみ割り人形のPlaybill

この連休、ヒューストンはかなり暖かいです。小春日和を通り越して本物の春がきてしまったような陽気で、窓を開け放して半袖で過ごす時間帯もありました。さて、本日は久しぶりにおめかしをして、ダウンタウンの「Worthom Theater」にバレエを観に行きました。ヒューストンに来た時から、一度は観たかった「ヒューストン・バレエ」。全米で5番目に大きなバレエ団だそうです。バレエに造詣の深い友人からも「ヒューストン・バレエ、観とくといいんじゃない?」とアドバイスされていたので、満を持しての初観劇となりました。


ホリデーシーズン恒例の「くるみ割り人形」は、ヒューストン・バレエでも人気の演目ということで、数ヶ月前からチケットを押さえていました。ネットで検索している時、夫が「なんか、一番高いFounder's Boxの席が連番で残っているよ〜」の一声。価格は1枚91ドル。ボックス席で10、000円しない?日本の感覚だと信じられません。歌舞伎の桟敷席のようなものなのに?今後いつバレエ観劇ができるか分からないし、せっかくの機会だしと、この席を購入してしまいました。


お昼にお手製ターキー・サンドウィッチを持参して、劇場に着いたのは開演の30−40分前。「オープンハウス」で何度か訪れているので、内部の構造は把握しています。地上から長いエレベーターに乗ってたどり着く広いロビーは、大混雑。巨大クリスマスツリーがあちこちに並び、食べ物屋台も複数出店、中央にはくるみ割り人形をはじめとするグッズが売られていて、さながらお祭りの縁日のようです。そして何より、着飾った子ども達(ヨチヨチ歩き含む)が沢山!劇場でこんなに多くの子どもを見たのは初めてです。日本では子ども向け作品でない限り、未就学児を入れない劇場が多い(というかほとんど?)ですものね。舞台に集中できるか一抹の不安を抱えながら、席に向かいました。



その席が、もう一生こんな席には座れないかもという素晴らしいものでした。指定されたドアを入ると、通路を挟んで2席づつ2列に木の椅子が並ぶ、まさに VIPなボックス席。舞台正面2階にせり出したバルコニーからは、舞台全景・オーケストラピットまで視界を遮るものがありません。私たちの後から、ドレスを着たお人形さんのような5、6歳の女の子が3人と男の子が1人、保護者かの老夫婦が席に着きました。各々が一著前にオペラグラスを持っていたりして、こういう生活に慣れたセレブっているんだなぁと実感しました。


肝心の舞台「くるみ割り人形」ですが、想像以上にダンサーのレベルが高くてよかったです。ソリストたちは皆、非常に丁寧かつ足元も柔らかい踊りで、足音もしませんでした。(門外漢のくせに偉そうな)少女の名前がクララで、金平糖の精は別のダンサーが踊りましたからバランシン版になるのかな?でも、最後、クララが目覚める場面まであったから元のイワノフ版?演出の版はよく分かりません。オーケストラは、ヒューストン・シンフォニーですかね。時折、不安になる音もありましたけれど、やっぱり生の演奏はいいものです。舞台装置も伝統的なヨーロッパ調で美しかったです。客席もあれだけの子どもがいたとは思えないほど静かでした。Playbillを読むと、このバレエ団には日本人の方も4名ほど在団されており、タイトルロールも踊られるよう。是非、がんばっていただきたいなと思います。