【映画】劇×シネ「RENT」。

本日は久しぶりに近所の映画館に出かけてみました。全米9/24、25、27、28の1日1回計4回限定でブロードウェイ公演「RENT」がかかると聞いたからです。去る9/7に12年に渡るブロードウェイ公演を終えた「RENT」ですが、この映画はオリジナル・キャストを中心に撮られた2005年版のクリス・コロンバス監督の映画ではなく、最終公演の舞台を中心にフィルム化した、いわゆる「劇×シネ」(商標?)というやつです。正式名称は、"Rent Filmed Live on Broadway"といいます。


上映時間は2時間45分。お値段は$15と映画にしてはちょっとお高め。いつもはガラガラの日曜正午の映画館も、それなりの人の入りで注目の高さを伺わせます。舞台に役者が現れると、映画館も口笛や指笛、拍手に包まれました。映画館で舞台のフィルムを観たのは初めてだったのですが、なかなかいいものですね。家のビデオやPCのDVD再生とは違って大画面で臨場感があります。場内が暗くなり、同じ空間にいる見ず知らずの観客と一喜一憂する体験というのは、限りなく舞台鑑賞に近い感覚でした。ちゃんと幕間の映像もあって、自分が映画館にいることを忘れました。舞台よりいい点は、やはり役者のアップを拝めたこと。あーこのシーンでは本当に泣いているんだとか、あのシーンで群舞はこんな動きをしていたんだとか、新しい発見もありました。反対に、ロング映像がほとんどないので舞台全体像のバランスは分かりづらかったですね。


カーテンコールでは初代メンバーも舞台に上がり、全員で"Seasons Of Love"の熱唱。ちょっと歳をとったオリジナルメンバーを見るにつけ、このミュージカルの歴史を感じずにはいられません。フィルム最後の最後、脚本・作詞・作曲を手がけたジョナサン・ラーソンの白黒の笑顔の写真が映し出され、思わず涙してしまいました。もしも彼が今も生きていたら、もしも彼がミュージカルを書き続けていたら、この世界で今頃どんな作品を生み出していたのだろう、それを心から観たかったと思いました。