"This was the moment" by Barack Obama

今晩、オバマ氏が民主党の大統領候補となることが、正式に決まりました。夕方の5時(中部時間)くらいからTVのニュースをつけていましたが、画面下に常に表示されているオバマ氏の獲得代議士数が、刻一刻と変化していきます。最後の予備選挙州であるサウス・ダコタ州、モンタナ州の結果が出る前に、すでにオバマ氏のノミネート・マジックは一桁になっていました。まずNYでクリントン氏が演説し、その後ミネソタ州オバマ氏の勝利スピーチが行われました。


それにしても、半年前にこのような結果が出るとは、とても想像できませんでした。明らかに、選挙戦前半はクリントン氏優勢だったのですから。2月5日のスーパー・テューズデーでも、オバマ氏は善戦したものの、獲得代議士の数はクリントン氏が上回っていたくらいです。何が勝敗を決したのか。これから、専門家による評論が山のように出てくるでしょうが、私なりの感想を言わせていただければ、オバマ氏陣営の選挙戦略は、心理戦を含め用意周到で、機を見る点で優れていたと思います。明らかに負けている状況から、いかにプラス要因を加算していくか。別にすべてに大勝する必要はないわけで、最後に半歩リードできていればいい、という長期戦の姿勢だったのかもしれません。対してクリントン陣営は、選挙対策本部のトップや参謀が入れ替わったり(オバマ陣営も幹部の辞任はありました)、候補者の夫の発言が目立ったり、中傷合戦に陥ったり、特に後半は不安定な選挙活動だったように映りました。


候補者本人たちの資質もさることながら、それを如何に効果的に導き出すかという選挙戦略は、とても重要なのだなと実感した今回の予備選でした。丁度、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読み終わったところなので、どうも「戦略」や「参謀」という言葉に過剰反応しがちですが(苦笑)。そして、やっとこれから本選挙戦に突入することになります。共和党のマッケイン氏は、民主党オバマ氏とすべてにおいて好対照ですから、なかなか面白い闘いになるのではないでしょうか。願わくば、足の引っ張り合いでなく、正面からのぶつかり合いを見たいです。以上、外国人による身勝手な所感でした。