トイレの話。

突然ですが、トイレの話です。いきなりすみません。外国に行くと、初めての異文化体験はトイレである可能性が高いと思います。私もそうでした。テキサス州で初めて入った公共用のトイレで、「あれ?感じが違う」。あとで気が付いたのですが、便座の形がちょっと違うのです。


普通便座は「O型」にせよ「U型」せよ奥も手前も幅が同じだと思うんですが、テキサスで出会った便座は膝前に向かって幅広になっていくのです。広いところでは2倍近くも。深く腰掛けてしまうと、背が低く脚の短い私は足が床につかないこともあります。日本では体験したことがない感覚です。なぜこんな形なのか?おそらく、非常にボリュームのある体格の方が多いテキサンに合わせたものなのでは。普通のサイズでは太ももが食い込んで痛いとか、重さに耐え切れずすぐに壊れてしまうとか、その辺が想像されます。このトイレに出会うたび、「今、自分は外国にいるんだ」ということを実感します。


もう一つ、空いているトイレ個室を見つける方法について。人が入っていない時は、扉が内側に半開き状態になる公共トイレもありますが、蝶番の仕組みか、ピッタリ閉まってしまうタイプも多くあります。その最たる例は、今通っているカレッジのトイレ。どこが空いているか分からない!皆どうするか?答えは、「下から覗いて確認する」です。前に並んでいたお姉さんたちが、中腰になってドアの下を覗きながら歩く光景を目にした時は驚きました。こちらのトイレはドアが床までないことはよく知られていると思います。20cmは空いているこの隙間、中に人が入っているか外から確認するためのものだったのですか!?ショック!!でも、ノックしたところでどの部屋に対してか分からないこともあるし、ドアまでが遠いケースも多いこの国のトイレなので、これは合理的なのかも。ただ、上記のような幅広便座で足が床に付かない時、「入ってますよ〜」オーラを出すのに、私は苦労してます。実際、鍵が甘かったドアを開けられたことありましたし。くく。


ドアだけでなく、左右の壁が床に達していないトイレもごく普通にあります。両隣りの人の靴が見えたりして最初は落ち着きませんでしたが、最近はそれはそれでフレンドリーな気持ちになるというか、人間らしい(笑)と思うようになりました。たかがトイレ、されどトイレ。10月に日本を訪れた夫の上司夫人は、和式トイレに出会って驚いて飛び出してしまったと言っていました。トイレに慣れたことは、その国にちょっと慣れたことになるのかもしれません。