巨星堕つ。

先週末の日本の新聞で、バレエ振付家モーリス・ベジャールが亡くなったことを知りました。驚きました。お悔やみ申し上げます。ベジャール氏は一振付家としてだけでなく、その存在自体に圧倒的なオーラがありました。日本の某舞踊団体から送られてきた、1月1日生まれのベジャール氏の顔だけを印刷した年賀状に、おののいたことが懐かしく思い出されます。


印象に残っている作品といえば、月並みですが「春の祭典」と「ボレロ」でしょうか。日本にインスパイアされた作品も多くありますが、やはりこの2作品は記憶に深く刻みこまれました。ストラビンスキーのつんざく様な音に乗せて原始的な群像劇が展開される「春の祭典」を初めて観た時、その美しさと激しさに衝撃を受けたものです。重力を感じさせないクラシック・バレエに対し、地の底から湧き上がる舞踏がそこにはありました。


ボレロ」は、映画「愛と哀しみのボレロ」でジョルジュ・ドンを見たのが最初だと思います。残念ながらジョルジュ・ドンの「ボレロ」を観ることは叶いませんでしたが、シルヴィ・ギエム氏と首藤康之氏の「ボレロ」を観て、選ばれた人間の神々しさに鳥肌が立ちました。最近また復刻したというマンガ有吉京子氏の「SWAN」には、「ボレロ」へのオマージュがありますよね。


今頃は、早くに逝ったジョルジュ・ドンと再会しているでしょうか。あちらでも、バリバリ創作活動に打ち込まれていそうです。