ゆる〜く前向き。

日本から持ち帰った、小林聡美氏の「ワタシは最高にツイている」を読み終わりました。9月に発売された本を母が買っておいてくれたものです。彼女のこれまでのエッセイと変わらない肩の力の抜けたゆる〜い内容で、ホッホッと笑いながらゆったり楽しめました。本の内容もさることながら、興味が尽きないのが作者の小林聡美さん本人です。言わずとしれた「女優」さんなわけですが、この地に足の着いた一般人ぶりはどうよ!です。今でこそ、「自然体」と呼ばれる女優さんたちが増えてきましたが、彼女のスタンスには年季が入っているような気がします。「生き馬の目を抜く」(勝手なイメージ)芸能界で、個性派女優さんとして活躍しながら、「主婦」や「妻」をごく普通にこなしている。庶民からすると、ゲイノウ人とイッパン人の間には広くて深い河が横たわっているように思えますが、それを軽〜くと飛び越えて、まるで反復横跳びをしているかのように行き来している様子がスゴイです。

ワタシは最高にツイている

ワタシは最高にツイている

小林さんと言えば、三谷幸喜氏の伴侶でもあるわけですが、三谷氏も新聞でエッセイを連載していますから、小林さんも時折「妻」として登場してきます。それが、またいい味を出している。「いや〜きっとそうなんだろうな」と思わせる言動の数々です。もちろん小林さんの作品に出てくる三谷さんも、「そうなわけ!やっぱりね」と妙に納得したりして、2人のエッセイには相乗効果がありますね。この二人の結婚記者会見で、友達が寄り付かない家にしたい、みたいなコメントに爆笑したことを思い出します。あの頃から、すでに楽しい2人でした。


小林さん主演の「かもめ食堂」は、予告編しか見ていません。友人知人も絶賛しているようなので、早く見たいところです。舞台となったフィンランドヘルシンキでは、10月に銀座で個展を拝見したばかりの木工作家さんも展覧会を開いたことがあるそうです。撮影のあったすぐ近くのギャラリーだったとか。ヘルシンキの人はお財布の紐が固かったものの(笑)、木のぬくもりを生かした作品は好評だったそうで、また行ってみたいとおっしゃっていました。確かに、その作家さんの雰囲気も「かもめ食堂」しています。(映画見てませんが)フィンランド、行ってみたい国の一つになりました。