Open House。

rainbringer2007-08-26

ダウンタウンの"Theater District"の"Open House"に行ってきました。ブロードウェイなどには及ぶべくもありませんが、"Theater District"はシンフォニーホールやバレエ・オペラ劇場、ストレートプレイ向け劇場、パフォーミングアートホールなどのエンターテインメント施設が集まっている、ヒューストンのダウンタウンの一地域のことを指します。"Open House"とは、9月からのNew Seasonを控えたこの時期、各劇場が一般に開放されるイベントです。普段は入れないバックステージを、今日ばかりは見学することができます。



各劇場では、数種類のクッキーとレモネードが無料で振舞われ、劇場近くのレストランも試食品をサービスします。ロビーやエントランスでは様々なパフォーマンスが繰り広げられ、子どもから大人までかなりの賑わいです。私たちは、ヒューストン・シンフォニーの本拠地"Jones Hall"から始まり、ヒューストン・オペラ/バレエのホーム"Wortham Theater Center"、芝居劇場"Alley Theater"のバックステージ・ツアーに参加してみました。左写真は、Jones Hallエントランスでの雷太鼓パフォーマンスです。


"Jones Hall"では、公演スクリーンに映す映像やDVD・中継用の画像処理をする制作室、指揮者から楽団員まで全楽譜を管理するライブラリなどを見せてもらいました。「指揮者によって弦楽器のBowing指導が違うから、ここは鉛筆書きなんだ」と、生楽譜の書き込みまで見せてくださいました。職員の方の情熱たるや、静かながら圧倒されるものがあります。



"Wortham Theater"では、ステージに立ってみました。ステージから客席というのは、それこそバルコニー席までこんなにもよく見えるものなんですね!そして、自分ひとりに満席の観客の視線が集められるというのは、とてつもないプレッシャーと高揚感があるのだろうなとゾクゾクしました。喝采を浴びると舞台に立つことが病みつきになるといいますが、ちょっと分かる気がします。ロビーでは、「くるみ割り人形」のコスチュームバレリーナさんとネズミの着ぐるみさんと記念撮影させてもらいましたよ。プリンシパルの方ではなかったと思いますが、可愛い方でした〜ネズミさんは、暑い中お疲れ様です。






最後の"Alley Theater"は、衣装部から舞台装置作製部、リハーサル室・ワークショップ室も備えた15階以上のビルになっており、一大企業といった様相です。大劇場"Hubbard Stage"の席数自体は824席と小さくはないですが、扇状すり鉢型の雰囲気はパルコ劇場に似たアットホームな感じで、どの席からも舞台が見やすそうです。ほか"Neuhaus Stage"という300席前後の小劇場もあります。ワークショップルームに展示されていたウェディングドレス(上左)と天使の羽風コスチューム(右上)を撮ってみました。何のお芝居で使われるんでしょう。今シーズンのオープニングを飾るのは、2005年のトニー賞演劇部門とピュリッツアー賞を獲得した"DOUBT"だそうですが、シンフォニーやバレエやミュージカルならまだしも、うーん、英語セリフだけのストレートプレイは全然分からないでしょうね〜ハードル高いです。


日本でもこんな"Open House"があったら、生の舞台が身近になっていいな〜と思った一日でした。今日劇場に来た人は、きっとシーズンに戻ってくることでしょう。劇場にとっても、意味のある一日なのだと思います。