けが。

お世話になった薬と絆創膏

料理中にちょこっと指を切りまして、帰宅途中の夫に薬を頼みました。ファーマシーでの薬選択は、相当に難儀したようです。無事に切り傷用の軟膏を買ってきてくれましたが、次回は辞書を持っていくと言っていました。


一般人はこんな小さな傷でもヒーヒーしてしまうのですから、身体能力を武器に活躍している方々は、怪我の与える影響は心身ともに大きいのだろうな、さぞや無念だろうなと想像します。こんなことを考えたのは、「熊川哲也が怪我したって!」という日本にいる友人からのメールがきっかけでした。


数日前に、別の友人がブログで熊川氏の主催する「Kカンパニー」の「海賊」の感想を書いており、そのちょっと前には日本から、熊川氏の父上の新聞連載の切り抜きが送られてきたので、「なんか、最近は熊川づいているぞ」と思っていた矢先の、先の友人からの怪我情報でした。


熊川哲也氏は、吉田都さんとともに、私をバレエ観劇に目覚めさせてくれた、「バレエの恩人」です。初めて見たのは、忘れもしない、1989年のローザンヌ国際バレエコンクールのTV放送。丁度受験の季節で凹んでいた私に、彼の跳躍と不敵な笑みはまぶしすぎました。以前、吉田都さんを目当てだった「白鳥の湖」が、当日彼女の怪我で代役になったことがあります。「一瞬先は闇」の世界、そんな極限状態でダンサーたちは舞台に立っているのかと思うと、鳥肌が立ちます。


その二人の、英国ロイヤル・バレエ団以来の同バレエ団での夢のような共演が実現している今、少しでも多くの人が、彼らの表現するバレエに触れられるように、そして熊川氏の思いが届くように、遠い空の下、怪我の回復を願っています。