オレンジジュースとガソリンの関係。

オレンジジュース

ちょっと前から感じていたのですけれど、こちらのスーパーで「オレンジジュース」が高値です。日本と比べたら同じくらいかもしれませんが、ほかの食品や飲み物が軒並みお安いので、「おやぁ?」と思うわけです。どうも原因は「バイオエタノール」にあるようです。


昨今の日本・アメリカの報道によると、地球の温暖化や環境資源を考慮して、自動車燃料の「バイオエタノール」化が推奨されているとのこと。その結果、サトウキビやトウモロコシが食用からバイオエタノールの原料にシフトし、小麦粉や砂糖の高騰を招いているそうですね。さらには、儲かるトウモロコシ畑に鞍替えする農家も増え、果樹栽培農家が減り、オレンジジュースが高価になるという仕組みです。


メキシカン主食「トルティーヤ」の主原料であるトウモロコシの高騰を受け、メキシコでは大規模なデモまで起きているのをTVで見ました。主食の高騰は家庭を直撃しますから、何か行動を起こしたくなる気持ちも分かります。日本の米騒動ならぬ、トウモロコシ騒動ですね。


日本でも「バイオガソリン」の試みが始まったそうですし、「バイオエタノール」の取り組み自体は画期的なことなのでしょう。けれども、自動車のエネルギー源のために、人間や家畜のエネルギー源が手に入りにくくなるというのは、どうも本末転倒な気がしないでもありません。環境問題だけを考えるなら、そもそも自動車の数を減らして、電気動力のトロリーバスを推奨するとか、今ある貨物の鉄道網に旅客列車を走らせるといった方が、効果が顕著な気がするんですが。


一方を立てれば一方が立たず。難しい問題ですね。「バイオエタノール」が環境をよくする前に、人間の方がへばってしまわないことを祈ります。それにしても、オレンジジュースの高値は困るなあ。写真は、洗濯洗剤容器のような1ガロンのオレンジジュースです。