テニスのプライベート・レッスン。

レッスン用のボール

前々から興味を持っていたテニスクラブの個人レッスンを、夫と申し込んでみました。コーチはスペイン人男性のFさん。スラッとした体躯、彫が深いお顔立ちで、いかにもテニスのコーチがピッタリです。英語が上手で今年グリーンカードを取得する予定なんだとか。最初にどんなレッスンを希望するかを聞かれ、夫は「効率のよい動きを身につけたい」と話しました。「楽せず、打って走って体で覚えなさい」とも反論されそうですが、「省エネテニス」は私たちの切なる思いです。幸い、コーチはフムフムと納得して、「まずは打って見せて」とネット越しに球出しをされました。


コート左サイドに夫、右サイドに私。フォアとバックを何球が打ち返すと、「ここがポイント」とそれぞれのウィークポイントを丁寧に指摘し、指導してくださいました。私たちのテニスの癖を根本的に直すことはせず、「こうするともっといい」というアドバイス。"Much better!""You got it!""Beautiful!"掛け声に乗って、私たちもその気になってきます。さすがです。ストロークが一段落すると、今度はネット際でボレーの練習。私はバックハンド・ボレーを両手しかできないのですが、それはやはり片手にするように言われました。体の型が重要だと、ボールは待っていてはだめだと、注意されました。


2回ほど水分補給の休憩をとりましたが、この頃には、相当に体がバテてきました。左右にトテトテと歩いている感じ。そして〆はベースラインでの打ち合いが待っていました。コーチは決して強く打っているわけではないのですが、バウンドしてからのボールの伸びが、かつて体験したことのないような速さ。緩いと思って待っていると突然自分に迫ってくるので、1球も思ったように打ち返せませんでした。夫へはトップスピンのプレゼント。ボールの跳ね上がりが高く、スピードも素人とはレベルが違います。真横で見ていて、ちょっと気の毒になってしまいました。「ナダルみたいにトップスピンを打ち続けると、相手は上方へのスイングと、前後の動きでものすごく体力を消耗してしまうんだ」と、自国の旬なプレイヤーを例に説明してくださいましたが、論より証拠です。


そうして、炎天下での1時間のレッスンはあっという間に過ぎてゆきました。いい経験ができたね〜と満足でした。それにしても、一体水を何リットル飲んだことでしょう。筋肉痛も半端ではありませんでした。