一つの節目。

一昨日、ケンタッキー州オレゴン州で大統領予備選挙が行われました。結果は周知の通り、前者でヒラリー氏の圧勝、後者でオバマ氏が勝利しました。マスメディアの予想通りです。そして、これも事前予告どおり、オバマ氏は一般代議員の過半数(1627名)を獲得したことを華々しく宣言しました。夜の屋外、それもライトアップされたアイオワ州議事堂前にしつらえた演説台。建物のバルコニーに登場したオバマ氏。手を振りながら階段を降りて、観衆に埋め尽くされた演説台まで、まるで花道のように張り巡らされた通路を、夫人と2人のお嬢さんを伴って歩くオバマ氏。計算しつくされた演出のように見えました。この雰囲気作り、うまいです。こういうところは、「さすがアメリカ」と思います。


オバマ氏が「勝利宣言」を出したといわれていますが、何をもって「勝利宣言」とするかは微妙です。オバマ氏にとっては、"Pledged"と呼ばれ民意を反映すると言われる一般代議員の同意を得たという事実が、アメリカ合衆国大統領を目指す上で、大きな力になるということでしょう。ただ、態度未定の残りの "Superdelegates"と呼ばれる特別代議員(上下院議員や州知事など、いわゆる「政治家」さんたちで構成された796人)が、仮に全員クリントン氏を支持し、残りの選挙で彼女が圧勝すると、クリントン氏の逆転勝利も数字上はあり得るので、「完全勝利宣言」とは言えない事情があります。


かくして、「勝利宣言」=「終結宣言」にはなりませんでした。ヒラリー氏陣営は、1%でも望みがある限り闘いぬく姿勢を貫いています。傍観者としては、ここまできたら、残り3箇所、全部選挙をして白黒つけた方がスッキリしていいですね。興味深いことは、現時点の世論調査によると、もしもオバマ氏が民主党候補者となった場合、ヒラリー氏支持者は本選挙でオバマ氏に投票せず、共和党候補のマッケイン氏に投票する可能性が高いそうです。「敵の敵は味方」という論法ですよね。サポーター心理としては非常によく分かる気もしますが。。。民主党にしてみると、せっかくの政権交代チャンスを、強力な候補者たちで潰しかねないという、なんとも皮肉な事態に陥っています。選挙って難しいんですね〜。