The show must go on。

"Next Super Tuesday"とか"Mini-Super Tuesday"と言われた昨晩の大統領選挙は、共和党でマッケイン氏の指名が決まり、民主党はいくつかの州で久しぶりにクリントン氏がオバマ氏に勝利しました。ヒラリー氏は選挙活動続行を宣言し、結果、民主党の指名はますます五里霧中、一体どうなっちゃうのか分からない状態になりました。少々気になったのが、「ヒラリー氏がテキサス州を制す」という報道。これは半分合ってますけれど、半分は間違っています。ヒラリー氏が制したのは「テキサス州予備選挙」であり、「テキサス州党員集会」はまだ結果が確定していませんから。


説明いたしますと、そもそもテキサス州は独自の選挙方式をとっています。予備選挙や党員集会の決定に左右されない"Superdelegates(特別代議員)"や"Wild cards"を除くと、テキサス州の代議員数は全部で193人です。そのうちの2/3である126人が"Primary(予備選挙)"で選出され、1/3 である67人は"Caucus(党員集会)"で選出されます。テキサス州の場合、予備選挙で投票した人だけが、3月4日夜の党員集会への参加資格を得るという、複雑な「二段階選抜方式」を採用しており、それが各会場での混乱を招いていたりして、投票結果が出るのが滞っているのです。(どうしてその混乱を予測して対処しない?という、別の疑問は沸きますが)


今日現在の党員集会得票率は、未確定ながらクリントン氏が44%・オバマ氏が56%という数字が出ています。仮にこれを67人に換算してみると、クリントン氏が29人、オバマ氏が38人となります。予備選挙結果に足してみると、クリントン氏=65人(予備選挙)+29人(党員集会)=94人、オバマ氏=61人(予備選挙)+38人(党員集会)=99人となります。つまり現時点で、獲得代議員数ということなら、テキサスを制したのはオバマ氏ということになります。


とはいえ、予備選挙は約300万人近い州民が参加したものであるのに対し、党員集会は4万人ちょっと、得票数でクリントン氏が上回ったことは事実です。そもそも、テキサス州オハイオ州とともに、民主党では圧倒的にクリントン氏が強かった地盤。オバマ氏が逆転したとの報道もありましたが、クリントン氏が粘りオバマ氏が善戦した、想定内の結果ともいえます。そして、確かなことは、アメリカ大統領探しの旅はまだまだ続く、ということです。